堀池美由紀オフィシャルサイト

EAT LAUGH LOVE

Q&A

Q料理家を目指したきっかけは何ですか?

小学生の時の趣味が、お菓子作りでした。今田美奈子さんのお菓子の本が大好きで、「洋ナシのタルト」や「さくらんぼのクラフティ」など作っては、家族に食べてもらっていました。

その時に喜んで食べてくれた家族の笑顔が嬉しかったのを覚えています。また祖母・母は京都の生け花とお茶の先生ですが、小さな時から、身近に花が活けてあったのも、美しいものが大好きになり、料理の盛り付けが好き!という今につながっていると思います。

 

Q海外とのつながりが多いのはなぜですか?

高校、大学と、それぞれ1年ずつ、米国へ交換留学生として過ごしました。日本とはまったく違う文化に触れて、海外が大好きになり、そのまま外資系航空会社にお勤めしました。外資系ということもあり、非常にフランクな職場。

あちこちに旅しては美味しいものを食べ、美しいものに触れる、恵まれた20代前半でした。現在までに旅した国は36か国になります。主人との結婚に伴い転勤で、ロンドン・ニューヨークへ移り住み、たくさんの友人を作りました。結婚してから子供がいなかった8年間が、世界を舞台に料理修行をした時代です。料理を通じて出来たシェフ仲間は自分にとって第二の家族のような人たちです。

 

Q学んできたことで一番大きかったことはなんですか?

ナパで300人規模の結婚披露パーティーの料理を作ったのも良い経験ですし、ミシュランレストランで、ロブスタービスクの下処理を大量にしたのも良い経験ですが、一番は、素晴らしい人達との出会いでした。マンハッタンでユダヤ系著名料理家さんの元で働いたときも、その強烈な金銭感覚から学んだことは非常に大きかったです。

また、ケータリング仲間のシェフとは、今も、家族同様のお付き合いで、子供たちも、「アメリカのおじちゃんおばちゃん」と呼ぶほど。サンフランシスコへ行くときはいつも彼らの家に直行します。SFは世界でも有数の食の発信地。豊かな海の幸、肥沃な大地からのカリフォルニア野菜と美味しいものがたくさんあります。

日本のカツサンドイッチを、SFで広めようとしたとき、そのままの味ではなくて、タイ風にアレンジしたコールスローやパイナップルチリソースを加えてみました。そんなアレンジのアイデアも、食の融合(フュージョンフード)第一線のSFならではです。第一線の食の情報をシェアできるシェフ仲間がいることは心強いことです。

 

Q家庭と料理家としてのバランスはどうとっていますか?

料理をお仕事にできたのは、子供を産んでから、本当に良かった!と思います。「人は食べたもので作られる」言葉通り、日々、実践。日々、実験!です。「野菜を食べてくれないのはなぜ?」「どうしたら食べてくれるの?」親なら誰しもぶつかる難問にも楽しくむかっていられます。ここからが仕事、ここからが家庭という線引きがなく、家庭が常に職場になるのにも、家族に感謝しています。

 

Qこれから何を目指して、どこに向かいたいですか?

JULIA ROBERTSジュリア・ロバーツさんの映画に、「EAT PRAY LOVE―食べて祈って恋して」というのがあります。内容は別ですが、このタイトルをもじって「EAT LAUGH LOVE―食べて笑ってそして愛が循環する」をいつも考えています。

食べて笑って、お腹がすいてまた食べて…友達や家族、親しいだれかと一緒に食べる食卓は本当に幸せです。なぜなら、そこには愛があるから。愛をあげて、誰かが元気になって、その誰かから、自分も愛をもらって…そうやって愛がぐるぐるとまわる日々を過ごせたら本当に幸せです。

食べ物にはそれだけの力があります。作る過程で作っている人の愛が籠るからです。良い食材には、生産者さんの愛がつまっています。そして食べる人を想像して作られたお料理には作った人の愛情がつまっています。それを食べた人からもらった笑顔からは、元気がうまれます。また作ろう!という元気。また明日もがんばろー!という元気。作ってくれた人に、食べ物に感謝する気持ち。そんなふうに愛が回っていけばいいなと思っています。

手の込んだお料理でなくていい、太陽の光の下、親しい誰かと食べるなら、それはどんなご馳走にも勝ります。とはいっても、毎日、毎食となると食事作りは結構なお仕事。買い物に行って、帰宅してからの仕分け、片付け、からの、調理です。ぐったりにならないように、「こんなレシピがあった!美味しそうだな!作ってみたいな!」そんなワクワクするような、楽しい気持ちを思い出してもらえるレシピや食卓のご提案をしていきたいです。自分も、世界も、持続可能で、心も体も元気になる食卓を目指しています。

Atelier Figo主宰 堀池美由紀

Atelier Figo主宰 堀池美由紀

「ル・コルドン・ブルー」ロンドン校を主席卒業。

海外の料理を、日本の食卓に落とし込んで、近所のスーパーで手に入る食材でアレンジして再現するのが得意。「普通の主婦が誰でも再現出来る味」をモットーに、美しい盛り付けやシンプルなレシピには定評がある。