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エッセイ・食べて笑って1「湘南に越してきて」

約2分
エッセイ・食べて笑って1「湘南に越してきて」

4年前に湘南に越してきました。理由は都心ではなく、のびのびとした環境で子育てがしたかったから。海に歩いていけるこの家に越してきた最初の週末。引っ越しの疲れで、朝寝坊から起きた時には、家の中はもぬけの殻。ほどなく主人から、送られてきた写メがこちら。

「今、ビーチにいます。子どもたち大喜びです」なんてハッピーな生活が始まったのだろう!とワクワクしたことを覚えています。

足の裏でザザッーと柔らかく動く砂の感触。季節によって変わる肌にさわる海水の温度。頬にあたる風の香り。目に飛び込んでくる江ノ島のくっきりとした輪郭。海に来ると、五感がフルに刺激されて、細胞が喜んでいるのがわかります。

最初の頃は、ペットボトルに山のように蟹をつかまえてきて、「飼う!」と言って、結局みんなお陀仏(ごめんなさい!)になったこと。男陣で釣りに出かけて、防波堤からチビが落っこちないかと心配しすぎたパパが慌ててサングラスを落として帰ってきたこと。地引網で大量にもらったイワシをさばきまくったのに、子供たちはちっとも食べなかったことぜんぶ良い思い出です。

そして湘南といえば、シラス。シラスといえばアカモク。アカモクはこちらに来て初めて知った海藻です。ぬめりがあって、シラスと一緒に丼にすると本当においしいです。漁解禁になると春の訪れです。その日の朝、漁師さんが採ったばかりの釜揚げのシラスを買いに、川沿いを自転車で走るのもまた楽しいものです。

About The Writer

堀池 美由紀
「ル・コルドン・ブルー」ロンドン校を主席卒業。

海外の料理を、日本の食卓に落とし込んで、近所のスーパーで手に入る食材でアレンジして再現するのが得意。「普通の主婦が誰でも再現出来る味」をモットーに、美しい盛り付けやシンプルなレシピには定評がある。
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