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【堀池美由紀コラム】旅育

約3分
【堀池美由紀コラム】旅育

旅好きの夫婦のもと、育つ我が家の二人の子供たちも旅好きです。今は、「旅育」という言葉があるそうですね。子どものころから、日常から離れて、家族で旅をすることで、子供の心の成長を促すーという意味だそうです。

思い返せば、私自身、そんなおしゃれな言葉は知らずに、「旅育」で育ったなぁと。転勤族の両親のもと、数年ごとに地方都市へお引越し。そして週末ごとに、家族で、新しい赴任先の、景勝地、観光地で遊んで帰ったのは、今思い返しても、心がほわーんとあったかくなる思い出です。

我が家のボーイズも大人になったときに、「家族であちこち出かけたなぁ」と思い返してくれるといいな。

 

さて今回の旅の行き先は「石垣島」と「竹富島」

石垣島
竹富島

着いたとたん、もわ~んとした温かい空気が、「お帰りなさい」と言ってるよう。

ハイビスカスの赤、さるすべりの濃いピンク、うす淡い青から濃いコバルトブルーまでグラデーションの海。ぽわりぽわりと浮かぶ白い雲。色彩が濃くて、食べる野菜の味も濃くて、細胞が喜んでいるのを感じます。

海での磯遊び2回、プール5回(毎日ですね)、子供の頃から憧れだった竹富島、星砂拾い、水牛、マングローブカヤック、そしてなんといっても八重山ボタルを見れたのは大収穫でした。

夕暮れと共に、それまでうるさいほど泣いていたカラスの声がピタッ!と止まり、続いて聞こえてきたのは、孔雀の声。これはまるで赤ちゃんが泣いているかのよう。そしてしばしの無音の後、「ホーホー」というミミズクの声。この時点で、森は真っ暗。怖くて「早く帰ろう!」と繰り返す7歳次男の顔の前を、ふわ~っと小さな小さな白い点が動いていきます。そのサイズ僅か2㎜ほど。休んでいるのか、おおきな葉にはクリスマス飾りの電飾のように、小さな明りがたくさん。本当に夢の中のようでした。

気が付けば、次男7歳。ついこの間まで、おむつはいていた(親の感覚)なのに、今回の旅では、お兄ちゃん同様の体力で朝6時から晩までフルで遊んでいました。さすがに夜は夕飯の途中で眠っていましたが。

そして10歳のお兄ちゃん。去年まで、お尻から火が出るんじゃないか?と心配するほど夕暮れまですべっていたプールのスライダー。今年は、数回滑って、おしまい。もう子供だまし、なのだそうです。

旅先で、毎回、子供の成長を感じます。そして、追い越されてしまう日もあと少しだなぁ、とちょっぴり寂しさも確認します。あと何年こうやって一緒に旅が出来るかなぁと。

家族で過ごせる日は、人生のうちでほんのちょっと。毎日を大事にしなくちゃ、この愛おしい日々は二度と帰ってこないのだからと確認するのも、旅へでかけるからこそ、かもしれません。

About The Writer

堀池 美由紀
「ル・コルドン・ブルー」ロンドン校を主席卒業。

海外の料理を、日本の食卓に落とし込んで、近所のスーパーで手に入る食材でアレンジして再現するのが得意。「普通の主婦が誰でも再現出来る味」をモットーに、美しい盛り付けやシンプルなレシピには定評がある。
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